心のベクトル

利乃

人間はその一瞬一瞬の心のベクトルによって歩む道は変わる。されど、今すぐの結果が全てと勘違いし、私なんか。と思う。しかし、希望のある前進は誰が讃えなくとも、「諦めた自分」とは雲泥の差を生じながら、 必ず 。又、年を重ねるごとにしっかりした結果となって大輪を咲かせる。

今日もびっくりした事があった。母の衣替えを手伝った際に、彼女が　「私の大切な黒の帽子が無い！」と叫びだした。「どこへやったん。乃理子が持っていった」と言い出した。あ～いつものことだぁー。

母の若い頃からの口癖。そう、「人のせいにする」

さらに、父が帽子を探そうとすると、母は「触るな！」と、犬のしつけのような声を上げる。

数分後、黒の帽子が見つかった。すると　どうしたことか　「私はなんと素晴らしいんだろう、私は偉い。ちゃんと帽子を見つけた」と、口に出した。黒の帽子が見つかるまでの間、自分を内省することは一切せず、人のせいにして、自分のポジションを保つ心がどうして素晴らしいのだろう？

父は「うんともすんとも」言わない。どうやら、しつけには慣れているようだ。自らを幸福に創り上げていく力が、彼女に彼にも本当に残念ながら見えてこない。まるで心の弱い人間が環境に振り回される猿廻し。
毎日、これでもか。これでもか。と、私の目・鼻・耳に入ってくる。

私は、訓練していただいている。人間の人生は最後が勝負だと。
人間は人生の最終章を美しくするために、若さも中年期も歩み続けていると。

信也くんと立派な人間になって、希望の力を輝かせたい